睡眠時無呼吸症候群 のお話

前回、肥満の合併症として「高血圧」をご紹介しました。 今回お話しする合併症は「睡眠時無呼吸症候群」です。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、眠っている間に呼吸が止まる病気のことです。睡眠中に気道(鼻や喉)が何らかの理由で塞がってしまい、呼吸ができず窒息状態となります。症状は大きないびきが10秒以上、時に1分以上消失し、再度激しいいびきが出現して、その繰り返しが見られます。治療せずに放っておくと、高血圧・心筋梗塞・脳梗塞などの様々な合併症を引き起こしかねない、危険な病気なのです。

睡眠時無呼吸症候群と高血圧との関係

睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病と関係あるといわれていますが、今回は前回お話した「高血圧」に絞ってお話したいと思います。睡眠時無呼吸症候群の方は肥満している人が多いので高血圧になるのでは?と想像されている方が多いと思いますが、同じ体重で健康な人と睡眠時無呼吸症候群の人を比較した研究で、睡眠時無呼吸症候群の人のほうが2倍、高血圧になりやすいというデータが出ています。つまり、睡眠時無呼吸症候群は高血圧の危険因子になるというのです。

高血圧には腎臓疾患などによる原因がわかっている二次性高血圧と、原因のはっきりしない本態性高血圧にわけられます。二次性高血圧は全体の5%程度であとの95%は本態性高血圧です。本態性高血圧の患者さんに睡眠時無呼吸症候群を合併する比率は、ある研究によると約30〜60%といわれています。本態性高血圧の方の中には睡眠時無呼吸症候群が原因の高血圧と特定できるか もしれないのです。

アメリカの「高血圧の予防、発見、診断及び治療に関するガイドライン」では睡眠時無呼吸症候群に合併している高血圧は「原因が明らかな高血圧」のリストの一番上に掲げられています。 一方、睡眠時無呼吸症候群患者さんのなかには50〜90%の高血圧を合併するといわれております。

では、どうして睡眠時無呼吸症候群が高血圧を引き起こすのでしょうか。その要因として

  • 夜間の低酸素血症や覚醒反応(無呼吸のたびに苦しくて脳が目覚めてしまう現象)により交感神経が興奮する。
  • 胸腔内圧の低下(のどがふさがるために、あえいだ状態になり、胸の中が陰圧になる)により静脈の血流が多くなる。

などがあげられます。

もちろんこれに肥満など高血圧の悪化因子が加わるとさらに悪くなるわけです。また、睡眠時無呼吸症候群ではない高血圧の患者さんは、夜間、交感神経は安定しているため、比較的夜間の血圧は安定しています。しかし、睡眠時無呼吸症候群患者さんは無呼吸をくりかえすことにより夜間も交感神経が興奮しているため睡眠中も血圧が高い人が多く、その状態が日中まで引きずられ、一日中血圧が高い状態に陥っている人もいます。そのような状態ですから血圧が高いだけでなく心臓にも負荷がいっそうかかり、さらに心臓病や脳血管障害も引き起こす可能性があるのです。

高血圧症のなかには高血圧薬が効かない治療抵抗性高血圧(利尿薬を含む適切な3剤をそれぞれ最大用量まで服用しても降圧目標値に到達できない高血圧)があります。ある調査によると治療抵抗性高血圧患者の睡眠時無呼吸症候群の合併率は83%だったという結果があります。この患者さんたちの治療抵抗原因のすべてが睡眠時無呼吸症候群とはいえませんが、夜間の頻発する無呼吸により、高血圧になり、薬物ではコントロールできなくなっていると考えられています。このような治療抵抗性高血圧も睡眠時無呼吸症候群の治療により改善されるという多くのデータが出ています。


高血圧治療中の方で

  • 薬を服用していても血圧値が高い
  • 昼間眠い
  • いびきをかく
  • 睡眠時間を充分とっているにもかかわらず、疲れがとれない
  • 無呼吸を指摘された
  • 肥満、特に首周りが太い
  • 家族に睡眠時無呼吸症候群の方がいる

という場合は、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。主治医もしくは専門医にご相談されるとよいでしょう

まずは生活習慣

ただ、まず、本格的な治療に入る前に生活習慣を見直しましょう。 高血圧症の治療同様、運動療法やアルコールの制限を行います。

減量

肥満は首周りにも脂肪が沈着しているため、気道を閉塞させます。食事療法、運動療法を実施し減量を試みます。減量することにより無呼吸が少なくなったり無くなる方もいます。減量が成功した方は、維持するようにしましょう。

アルコールの制限

アルコールは血圧にも悪影響を及ぼしますし、気道の筋力を低下させる作用があるために無呼吸にもよくありません。就寝前の飲酒はやめましょう。

精神安定剤の服用の制限

精神安定剤で無呼吸が悪化することがあります。初診時は精神安定剤、高血圧のお薬など、現在服用中のものは持参するようにしましょう。

禁煙

アルコール同様、タバコは血圧にも無呼吸にも悪影響があります。血液中の酸素の濃度を低下させたり、咽喉頭部の炎症を起こすことがあります。できるだけ禁煙をしましょう。

肥満にお役立ち商品

ブドウ糖が細胞に取り込まれるには、まずインスリンが筋肉や脂肪細胞にある受容体に結合しなければならないのですが、肥満気味の人はインスリンに応答する細胞の受容体の感度が鈍くなっていて(特に筋肉細胞の感度が鈍い)、食べた糖質は脂肪細胞により溜まりやすくなっています。クロムには受容体のインスリン感度を引き上げる働きがあり、脂肪細胞よりも筋肉細胞の感度を引き上げる効果が大きくなるように作用します。つまり食べた糖質を脂肪にではなく、筋肉のエネルギーになるように仕向けてくれます。

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